リサさん、こんにちは。デイサービスの専門用語は初めて聞くと少し難しく感じますよね。今回は「ベースアップ加算」についてわかりやすくお話しします。これは、スタッフの給料を少しずつ上げるために国が定めた制度で、質の良いサービスを提供し続けるためにとても大切な仕組みです。お祖母さまに安心して利用していただくためにも、ぜひ知っておいてくださいね。
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ベースアップ加算とは何ですか？
リサ:ベースアップ加算って、具体的にはどんなものなんでしょうか？
久保:ベースアップ加算というのは、デイサービスの現場で働くスタッフの賃金を上げるために設けられた仕組みです。簡単にいうと、スタッフの給料を少し増やすための「おまけ」の加算ですね。国が「職員の給与を適正に保ってくださいね」と支援する意味合いがあります。これによって、スタッフが安心して働ける環境を整えることが期待されているんです。
リサ:なるほど、スタッフの給料を上げるための加算なんですね。それはデイサービスの利用者にとっても良い影響があるんでしょうか？
久保:はい、間接的にはとても大事です。質の良いスタッフが長く働けることで、利用者さんに安定して丁寧なサービスが提供されます。スタッフの入れ替わりが少ないと、利用者さんが慣れた環境で安心して過ごせますからね。そういう意味で、利用者さんやご家族にとっても好ましい変化が期待できる加算なんです。
デイサービスにおけるベースアップ加算の目的は？
リサ:ベースアップ加算の目的はスタッフの給料アップ以外に何かあるんですか？
久保:やはりメインはスタッフの賃金改善ですが、それによりスタッフの定着率を上げたり、質の高いケア人材を確保しやすくすることも目的です。人材が安定すると、利用者さんへのサービス品質が安定しますので、利用者にとっても福祉の質が底上げされるという狙いがあります。
リサ:つまりベースアップ加算は、デイサービス全体の質の向上にもつながるんですね。
久保:その通りです。スタッフの給与を底上げすることで雇用の安定が生まれ、結果としてサービス全体の質の向上につながる。利用者さんが安心して通える環境をつくるための大切な仕組みなんですよ。
ベースアップ加算の適用条件はどのようなものですか？
リサ:ベースアップ加算を受けるには、どんな条件があるんでしょうか？
久保:適用には、スタッフの賃金を令和4年4月の国の基準賃金以上に引き上げることが最低条件です。具体的には、その年度の基準賃金を下回らない給与体系であること、かつ事業所内で一定の賃上げ実績があることが必要です。これを証明するために、給与明細や労務管理の資料を提出します。
リサ:賃金の基準というのは具体的にいくらくらいでしょうか？
久保:例えば、介護職員の平均月給の目安として、国が示す基準額は約25万円程度です。事業所はこれを参考にし、令和4年4月以降にこれを下回らないよう賃上げを行わなければなりません。基準額は職種ごとに細かく設定されています。
ベースアップ加算がデイサービスの利用料金に与える影響は？
リサ:利用者の料金はベースアップ加算によってどれくらい変わるんですか？
久保:ベースアップ加算の点数は利用料金に直接加算されるもので、具体的には1日あたり11単位（1単位＝10円の場合、110円が加算される計算）程度です。なので月に20日利用すると約2,200円の上乗せになるイメージです。
リサ:それは思ったより控えめな額ですね。それでも利用者に負担が大きくならないのはなぜですか？
久保:加算分は国からの介護保険給付に含まれているため、実際にかかる自己負担は約1割です。つまり、2,200円の加算でも利用者本人の負担は約220円程度です。小さな負担増ですが、結果的にスタッフの待遇改善につながり、サービスの安定化や質向上が期待できますので、家族にとってもメリットが大きいと言えます。
ベースアップ加算はどのように算定されますか？
リサ:ベースアップ加算の具体的な算定方法を教えてください。
久保:デイサービスの場合、1日あたりの利用単位数に決まった加算単位を乗じて算定します。例えば、「ベースアップ加算」＝サービス利用1日につき11単位加算されます。計算式は 利用日数×11単位×単位単価（約10円）で、月間加算額が出ます。
リサ:加算の単位数は施設によって変わりますか？
久保:いいえ、ベースアップ加算の単位数は国で決まっているため全国一律です。ですから、どのデイサービスでも同じ11単位が加算されます。
ベースアップ加算の申請手続きはどのように行うのですか？
リサ:この加算を受けるには、事業所はどんな手続きをするんでしょう？
久保:申請は通常、都道府県の介護保険担当窓口へ書類を提出します。具体的には、賃金の引き上げ状況を示す資料や労務の証明書類を添えて申請します。手続きは年１回程度で、その年度の賃金状況を報告し、適用が認められれば加算が受けられます。
リサ:利用者や家族が何か手続きをする必要はありますか？
久保:利用者や家族が特別に申請する必要はありません。これは事業所側の申告・認定制度だからです。利用料金に反映されますので、利用者としてはどの施設がベースアップ加算を取っているか確認しておくと良いでしょう。
ベースアップ加算はスタッフの給与にどのようにつながりますか？
リサ:ベースアップ加算が実際にスタッフの給与にどう反映されるんですか？
久保:事業所がこの加算を受けるためには、スタッフの給与を国の基準以上に引き上げることが条件です。つまり、「ベースアップ加算を受ける＝スタッフの賃金を上げる対策を必ずしている」とみなされます。ですから加算を取ることはスタッフの給料底上げに直結しています。
リサ:逆に言うと、給与を上げなければ加算は受けられないんですね？
久保:そうですね。加算の趣旨は給与引き上げのための支援なので、賃金アップが実績として確認できなければ認められません。ですから事業所はしっかり給与を改善している証拠を見せる必要があります。
ベースアップ加算と他の加算制度との違いは何ですか？
リサ:ベースアップ加算のほかにデイサービスには色々な加算がありますよね。どう違うんでしょう？
久保:ベースアップ加算は「職員の賃金改善」を目的とした加算で、給与アップを促します。一方、例えば「送迎加算」は利用者の送迎にかかるコストを補助したり、「個別機能訓練加算」はリハビリの質向上を目的としています。つまり、加算ごとに目的が違うため、経営やサービスの方向性を示す役割を持っています。
リサ:つまりベースアップ加算はスタッフの働きやすさに、他の加算はサービス内容や設備面に関係する感じですね。
久保:まさにその通りです。利用者や家族がどんなサービスを重視しているかで、どの加算に注目すべきか変わってきますね。
ベースアップ加算が適用されない場合はありますか？
リサ:どんなケースだとベースアップ加算がもらえないんでしょう？
久保:スタッフの賃金が国の基準に達していなかったり、賃上げの実績がない場合は適用されません。また、事業所が申請をしなかったり、書類不備などで認められないこともあります。つまり、給与を引き上げる努力が見えないと加算は受けられません。
リサ:利用者や家族として、そういった事業所を見分けるポイントはありますか？
久保:サービス料金の請求明細を見ると、ベースアップ加算の項目があるか確認できます。また、施設に直接「ベースアップ加算は取っていますか？」と聞いてみるのも有効です。加算が取れている事業所は職員の待遇に配慮しているサインでもありますから、安心材料になりますよ。
これからのデイサービス業界でのベースアップ加算の展望は？
リサ:今後、ベースアップ加算はどうなっていくんでしょうか？
久保:国は介護現場の人手不足解消とサービスの質向上のため、引き続きスタッフの賃金アップを促す方向で政策を進めています。今後は加算の単位数が増えるか、条件がさらに厳しくなる可能性もありますね。利用者にとっては、スタッフの待遇改善がサービスの安定に結びつくため、非常に注目すべきポイントです。
リサ:つまり、これからもずっとベースアップ加算はデイサービスの質や安心に関わる重要な制度だということですね？
久保:まさにそうです。介護スタッフの賃金改善が進むことで、良い人材が集まりやすく、長く働いてもらいやすくなります。結果的に利用者の生活の質が上がる大切な仕組みなので、家族としても関心を持っておくと良いでしょう。