こんにちは、リサさん。デイサービスでよく聞く「血管性認知症」という言葉、ちょっと難しく感じますよね。私は看護師の久保と申します。30年の経験からお話しすると、血管性認知症は脳の血管が詰まったり破れたりして起こる認知症の一種で、日常生活に様々な影響を与えます。今回はそんな血管性認知症について、できるだけ分かりやすく丁寧に説明しますので、一緒に学んでいきましょうね。
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血管性認知症とはどのような病気ですか？
リサ:血管性認知症という言葉をよく聞きますが、具体的にはどういう病気なのでしょうか？
久保:血管性認知症は、脳の血管が詰まったり破れたりして、脳の一部が酸素や栄養不足になることで起こる認知機能の障害を指します。例えば、水道のパイプが詰まると水が流れなくなりますよね。同じように脳の血管が詰まると、その部分の脳細胞がうまく働かなくなり、記憶や判断力の低下を引き起こします。
リサ:では、脳の血管が詰まることと認知症の関係性はどうなっているのですか？
久保:脳の血管が詰まると、脳細胞が死んだり障害を受けたりして、その場所に応じた認知機能が低下します。認知症の症状はその障害の箇所で変わりますが、血管性認知症では複数の血管障害が積み重なって症状が出るのが特徴です。つまり、脳がダムのようにあちらこちらで水漏れが起こるイメージで、全体的な認知力が徐々に落ちていきます。
血管性認知症の主な原因は何ですか？
リサ:血管性認知症の原因となる主な病気や状態を教えてください。
久保:主な原因は脳梗塞や脳出血といった脳血管障害です。特に高血圧や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病があると血管が傷つきやすくなり、その結果として血管性認知症になりやすくなります。たとえば、高血圧では血圧が140以上が続くと脳の血管に負担がかかりやすいと言われています。
リサ:生活習慣が影響するということですが、他に気を付けることはありますか？
久保:たばこや過度の飲酒も血管にダメージを与えるため注意が必要です。また、運動不足や肥満もリスクを高めます。血管は細いパイプのようなものなので、油やゴミがたまると詰まりやすくなるのと同じです。これらのリスクを減らすことで、発症や悪化を防ぎやすくなります。
血管性認知症の初期症状にはどんなものがありますか？
リサ:血管性認知症の初期症状について教えていただけますか？
久保:初期症状は記憶障害よりも、判断力の低下や注意力散漫、言語障害、手足の麻痺やしびれなど身体的な症状が目立つことが多いです。例えば、買い物に行って必要な物が分からなくなる、同じ話を何度もすることが増えるなどがあります。
リサ:アルツハイマー型認知症と比べて違いはありますか？
久保:はい、アルツハイマー型では記憶障害が最初に目立つのに対し、血管性認知症は動作の遅れや歩行障害、排尿障害など身体的な変化も早期に表れる傾向があります。これは、血管障害が脳の運動を司る部分にも影響を及ぼすためです。
デイサービスで血管性認知症の利用者に必要なケアとは？
リサ:デイサービスで血管性認知症の祖母に対してどのようなケアが必要でしょうか？
久保:血管性認知症の利用者さんには、身体機能の維持と認知機能のサポートが重要です。具体的には、日常生活動作の支援やリハビリ的な運動を取り入れ、血流改善や筋力低下防止を図ります。また、認知機能の低下による混乱を減らすため、分かりやすい声かけや視覚的なサポートも行います。
リサ:具体的な運動や活動例を教えてください。
久保:例えば、座ったままのストレッチや簡単な歩行訓練、指先を使うレクリエーションがあります。これにより脳への血流も改善されやすく、認知機能の低下を緩やかにする効果が期待できます。デイサービスではこうしたプログラムを週に2〜3回実施することが多いです。
血管性認知症とアルツハイマー型認知症の違いは何ですか？
リサ:血管性認知症とアルツハイマー型認知症は具体的にどのように違うのでしょうか？
久保:アルツハイマー型は脳の神経細胞が減ることで記憶や学習機能が中心に侵される病気です。それに対して血管性認知症は脳の血管のトラブルが原因で、脳の一部がダメージを受けた結果、症状が出ます。つまり、アルツハイマー型は「バッテリーが切れる」ようなイメージで、血管性は「配線が部分的に切れる」イメージです。
リサ:症状の違いはどう表れますか？
久保:アルツハイマー型は記憶障害が顕著なのに対し、血管性は運動障害や感情の変化、急に認知機能が落ちることが多いです。また、血管性の患者さんは症状の波があるため、体調や脳の血流状況で見た目の変化が大きいことも特徴です。
血管性認知症の進行を遅らせるためには何ができる？
リサ:血管性認知症の進行を遅くするために家庭やデイサービスでできることはありますか？
久保:血管性認知症の進行防止には、血圧や血糖値のコントロールが最も重要です。家庭では塩分を控え、適度な運動やバランスの良い食事を心がけることが基本です。デイサービスではリハビリや認知機能訓練を続けることが効果的です。
リサ:運動の頻度や強度の目安はありますか？
久保:中等度の有酸素運動を週に150分、例えば1日30分を5日間行うのが推奨されています。ただし体調に合わせて無理のない範囲で行うことが大切です。適切に続けることで血流が促進され、脳の障害進行を遅らせる期待が持てます。
血管性認知症の診断方法にはどんなものがありますか？
リサ:血管性認知症の診断はどのように行われるのでしょうか？
久保:診断は主に医師が問診や神経学的検査を行い、CTやMRIといった脳の画像検査で脳血管障害の有無を確認します。それから認知機能検査（例えばMMSE）で症状の程度を評価します。画像検査で血管の損傷が複数ある場合、血管性認知症の可能性が高まります。
リサ:認知症の種類の特定は難しいですか？
久保:確かに完全に区別するのは難しい場合もあり、混合型認知症も多いです。しかし、画像検査での脳血管の異常所見や突発的な症状変化から判断できることが多いです。診断が確定すると、適切な治療やケア計画が立てやすくなります。
血管性認知症の利用者に対して家族はどんな支援が必要ですか？
リサ:家族として血管性認知症の祖母を支えるために心がけることは何でしょうか？
久保:家族は見守りや声かけ、生活リズムの安定をサポートすることが大切です。血管性認知症は症状の波があるため、急な変化に対応できるよう柔軟に接する必要があります。例えば約束の時間や場所を繰り返し伝えることが混乱防止につながります。
リサ:介護の負担を減らすためのポイントはありますか？
久保:家族だけで抱え込まず、デイサービスや訪問介護などの利用を積極的に検討してほしいです。また、専門家の相談窓口を利用して介護方法やストレスケアを学ぶことが重要です。介護負担の軽減は本人にも良い影響をもたらします。
デイサービスで血管性認知症の利用者が安心できる環境作りとは？
リサ:デイサービスで血管性認知症の利用者が安心して過ごせるには、どんな環境が必要ですか？
久保:安全で見通しの良い環境、分かりやすい掲示や声かけが欠かせません。例えば、利用者さんが迷わないように部屋の名前やトイレの場所を大きく表示したり、スタッフが親身に寄り添うことが安心感につながります。また、同じメンバーでの交流や決まったスケジュールを守ることで、混乱や不安を減らせます。
リサ:具体的に注意すべきことはありますか？
久保:急な環境変化や騒音は混乱を招きやすいのでできるだけ避けることです。無理に大声で注意するより、落ち着いた口調でゆっくり伝えることがポイントです。こうした配慮で利用者さんのストレスが減り、活動への参加意欲も高まります。
血管性認知症のリスクを減らすための生活習慣は何ですか？
リサ:血管性認知症のリスクを減らすために家でできる生活習慣はどんなものがありますか？
久保:血圧管理を中心に、塩分控えめの食事、適度な運動、禁煙、節度ある飲酒、そしてストレスの軽減を心掛けることが大切です。血圧140/90mmHg以下を目標にするのが一般的で、これが守られていると脳血管障害のリスクがかなり下がります。
リサ:具体的にどのくらい運動すれば良いですか？
久保:週に150分程度の中強度の有酸素運動、たとえばウォーキングや軽いジョギングが推奨されます。1日30分を週5回目安に続けることで、血管の健康維持に役立ちますし、認知症リスクも減ります。