リサさん、こんにちは。デイサービスを利用するうえでよく聞く「ADL維持等加算」という言葉、ご存知でしょうか？これは利用者さんの日常生活動作（ADL）をできるだけ長く維持するための支援に対する加算点のことです。具体的な意味やサービス内容を、30年の経験からわかりやすくお伝えしますので、不安なくお祖母さまをお任せいただけるようサポートしますね。
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ADL維持等加算とは何ですか？
リサ:ADL維持等加算という言葉をよく聞くのですが、具体的にはどのようなものですか？
久保:ADL維持等加算は、介護サービスの中で利用者の「日常生活動作」、つまり歩く・食べる・着替えるなどの基本的な動作能力を維持・向上させるための努力を評価し、介護報酬にプラスされる仕組みです。たとえば、おばあさまが自分でできることをなるべく保ち続けるための支援を積極的に行うときに使われます。
リサ:それは利用者の生活を長く自立させるための仕組みということですか？
久保:その通りです。ADLを維持することは、介護を受ける側も家族も負担が軽くなりやすいので、とても大切なポイントなんです。
デイサービスでADL維持等加算が必要とされる理由は？
リサ:なぜデイサービスでADL維持等加算が求められるのでしょうか？
久保:デイサービスは日常生活の支援とともに、利用者の自立を助ける場でもあります。ADLが低下すると寝たきりなど生活の質が大きく落ちるので、介護報酬で特に評価されるわけです。つまり、維持や向上に力を入れているところを応援する制度で、利用者の健康状態や生活の質の悪化を防ぐ役割があります。
リサ:なるほど、単に助けるだけでなく、自立を支援する姿勢が大事なんですね。
久保:はい、その通りです。ADL維持等加算は、そういった前向きな介護の質を高めるためのインセンティブになっています。
ADL維持等加算の算定基準はどのようになっていますか？
リサ:具体的に、ADL維持等加算はどんな条件で算定できるのですか？
久保:ADL維持等加算を算定するには、利用者が要介護度3以上であること、そしてデイサービスが「ADL維持や向上のための具体的な目標設定と評価」を実施していることが大事です。算定額は基本報酬に対して1日あたり39単位がプラスされます。単位は介護報酬の計算の基本単位で、1単位は10.14円（令和6年度現在）ですから、39単位×10.14円＝約395円が加算される仕組みです。
リサ:単位なんて聞くと戸惑いますが、1日約400円プラスになるんですね。
久保:そうです。頻度や利用日数によって累積するとケア提供の質向上が評価される形となります。
ADL維持等加算を受けるためにデイサービスで求められる具体的な取り組みは？
リサ:どんなサポートや取り組みがあると、ADL維持等加算が算定できるのですか？
久保:具体的には、利用者一人ひとりの体力や認知機能の状態を評価し、たとえば自主的に歩行の練習を取り入れたり、食事や服薬の援助を自立支援に向けて工夫したりすることです。また、レクリエーションも体を動かすことを意識してプログラムすることが大切です。目標を決めて、毎月か2カ月ごとに達成度の評価と記録をすることも必須となっています。
リサ:評価や記録も求められるのですね。家族から見ても、利用者の状態が変わっているか確認しやすくて良さそうです。
久保:その通りです。記録は支援の方向性を共有する上で欠かせず、利用者本人や家族にとって安心感にもつながります。
ADL維持等加算が対象とする利用者の条件とは？
リサ:どんな利用者がADL維持等加算の対象になるのですか？
久保:基本的には要介護度3以上の方が対象で、身体機能や認知機能が低下傾向にあるけれど、積極的に自立支援を期待できる方が該当します。要介護1や2の方は対象にならない場合が多いです。例えば認知症があっても、生活機能の維持に向けて努力を続けたい状態の方が含まれます。
リサ:介護度が高い人でも、本人の意欲や状態次第で加算が変わるんですね。
久保:そういうことです。本人の状態に合わせた支援が重要なので、全員一律ではなく個別対応が求められています。
ADL維持等加算を算定する際の記録や書類のポイントは？
リサ:加算を受けるためにはどんな書類や記録が必要ですか？
久保:主に「個別支援計画書」で、ここにADLの現状と目標を具体的に記載しなければなりません。さらに毎月、利用者の身体機能の変化や介助の状況を詳細に記録することも大切です。これらの記録は監査の際に重要な証拠となるため、曖昧な表現は避けて具体的に数字や状態を記載します。
リサ:具体的な数字や目標が必要ということですか。
久保:はい、例えば「歩行距離が週に100メートル増加」「食事の自立が70%から80%へ向上」など、見える形で目標と達成度を示すことが求められます。
ADL維持等加算がデイサービス事業者にもたらすメリットは何ですか？
リサ:事業者にとってADL維持等加算を算定することはどのような利益や意味がありますか？
久保:単純に報酬が増えるという経済的メリットだけでなく、利用者への質の高いケアを提供していることの証明にもなります。これは介護サービスの評価や信頼を高め、新規利用者の獲得にもつながります。また、スタッフの専門性向上やモチベーションアップのきっかけにもなるんです。
リサ:それは利用者にもスタッフにも良い好循環が生まれそうですね。
久保:そうですね。良いケアができるから評価が上がり、さらに良いサービスが提供できる、という流れが生まれます。
ADL維持等加算を受けることで利用者に期待できる効果は？
リサ:加算を受けられる施設でサービスを受けると、利用者にはどんな良いことが起きますか？
久保:ADLを維持・改善するための支援が強化されるため、寝たきり予防や認知機能の悪化抑制が期待できます。結果として、自分でできることが増え、生活の満足度や自己肯定感も高まるケースが多いです。これにより家族の介護負担も軽くなり、利用者と家族双方にとって前向きな変化が期待できます。
リサ:生活の質が上がることで、本当に安心しておばあちゃんも暮らせそうです。
久保:まさにその通りです。利用者自身の尊厳を守りながら生活できることが何より大切ですからね。
ADL維持等加算の申請や更新手続きの流れは？
リサ:ADL維持等加算の申請や更新はどのように行うのですか？
久保:施設が介護保険の請求時に加算算定を申請します。申請の前には個別支援計画の作成や状態評価をしっかり行い、それをもとに加算の要件を満たしていることを確認します。更新も同様に数か月ごとに評価と記録を見直し、必要に応じてプランを修正して報告します。運営基準に沿っているか監査もあり、記録の透明性が求められます。
リサ:家族としては、どのくらいの頻度で見直しされているか知ることはできますか？
久保:通常は月に1回か2か月に1回の評価ですが、施設に聞けば説明を受けられるので安心してください。
ADL維持等加算に関する最新の制度改正や動向は何ですか？
リサ:最近のADL維持等加算に関する制度変更や注目すべき傾向はありますか？
久保:令和6年度の介護報酬改定では、ADL維持等加算の対象要件の細分化や、より具体的な支援の質を高める取り組みの強化が進みました。たとえば、認知症の状態に合わせた介護技術の導入や、スタッフの専門研修を義務付ける方向です。これは利用者の多様なニーズに応えるためで、家族にとっても高品質なケア受けられる期待が高まる動きです。
リサ:専門研修や質の向上が義務になることで、サービス自体も良くなるんですね。
久保:そうですね。制度はより利用者優先の視点に変わりつつあります。介護の質向上が何よりのメリットと言えます。